John F. Kennedy|歴史上の人物|1917年5月29日生まれ
ジョン・F・ケネディは、アメリカ合衆国第35代大統領を務めた政治家である。29歳で下院議員に当選して頭角を現すと、43歳で史上最年少の若さで大統領に就任した。冷戦下の緊迫した情勢においてキューバ危機を回避するなど、卓越したリーダーシップを発揮したが、1963年にテキサス州ダラスにて凶弾に倒れた。その若々しいカリスマ性と悲劇的な最期は、今なお世界中の人々の記憶に刻まれている。
1917年、マサチューセッツ州の裕福な政治家一家に生まれたジョン・F・ケネディは、まさに次世代のリーダーとしての運命を背負っていた。第二次世界大戦での軍務を経て、政治の道を志した彼は、1946年に29歳の若さで下院議員に初当選を果たす。この時から彼の輝かしい政治キャリアが幕を開けた。ケネディは持ち前の端正な容姿と、理知的かつ力強い弁論術で、瞬く間に国民的な人気を博していくこととなる。
1960年の大統領選挙において、彼は共和党のリチャード・ニクソンと激戦を繰り広げた。史上初めてテレビ討論会が導入されたこの選挙で、ケネディは溢れる若さと自信に満ちた姿を茶の間に印象づけ、僅差で見事に勝利を収める。43歳という、選挙で選ばれた大統領としては史上最年少の若さで第35代大統領に就任した彼は、就任演説で「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてほしい」と説き、アメリカ国民、特に若者たちに新しい時代の到来を予感させたのである。
ケネディの政権時代は、まさに冷戦の緊張が最高潮に達した時期であった。1962年、45歳の時に直面した「キューバ危機」は、人類が最も核戦争に近づいた瞬間と言われている。ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設していることを察知したケネディは、軍部の強硬論を抑えつつ、冷静かつ果断な海上封鎖という手段を選択した。ソ連軍トップとの極限の対話と駆け引きの末、最終的にミサイル撤去を引き出し、世界を破滅の淵から救い出したのである。この一件により、彼の危機管理能力と外交手腕は世界的に高く評価されることとなった。
しかし、輝かしい物語は突然の幕切れを迎える。1963年11月22日、翌年の大統領選挙に向けた遊説のため訪れていたテキサス州ダラス。ケネディはオープンカーでパレードを行っている最中、背後から狙撃された。享年46歳。あまりにも若く、そして悲劇的な死は世界中に衝撃を与え、多くの人々が深い悲しみに包まれた。彼の提唱した「ニュー・フロンティア」精神や、公民権運動への積極的な姿勢は後世へと引き継がれ、ケネディは没後も民主主義の象徴として、またアメリカの光と影を体現する英雄として語り継がれている。