Augustus Caesar|歴史上の人物|-63年9月23日生まれ
古代ローマの初代皇帝であり、「尊厳者」の名で知られる政治家である。ユリウス・カエサルの養子として若くして後継者となり、熾烈な内乱を勝ち抜いて帝政の基礎を固めた。彼の統治は「パクス・ロマーナ」と呼ばれる約200年の繁栄期の幕開けとなり、共和政から帝政への移行を完成させたことで、欧州の歴史に決定的な足跡を残した。
紀元前63年、ガイウス・オクタウィウスはローマの騎士階級の家に生まれた。彼の運命が劇的に変わったのは18歳の時である。大叔父であるユリウス・カエサルが暗殺され、その遺言状によって後継者に指名されたことが伝えられたからだ。当時、無名の若者に過ぎなかった彼は、周囲の懸念をよそにカエサルの名を受け継ぐ決断を下す。19歳でローマに帰還した彼は、養父を殺害した共和派を次々と掃討していった。その後、エジプトの女王クレオパトラと結びついたアントニウスとの対立は決定的となり、紀元前31年、32歳の時に「アクティウムの海戦」で勝利を収め、地中海世界の唯一の支配者となった。
紀元前27年、36歳の彼は元老院から「アウグストゥス(尊厳者)」の称号を贈られ、元首政の始まりとなった。彼はカエサルのように独裁官となる過ちを避け、伝統を尊重する姿勢でローマ社会の安定を図った。40年以上に及ぶ統治の間にインフラ改善、税制改革、常設軍の整備が進められ、「パクス・ロマーナ」と呼ばれる平和な時代の基盤を築き上げたのである。