Masato Sakai|アーティスト・作家|1973年生まれ
穏やかな微笑みと緻密な演技で知られる日本の俳優。『半沢直樹』『リーガル・ハイ』など数々の当たり役を生んだ。
1973年、兵庫県神戸市に生まれ、2歳からは宮崎県宮崎市で高校卒業までを過ごした。中学では吹奏楽部、高校では演劇部に所属。通商産業省の官僚を志していたが国立大学に全て落ち、早稲田大学第一文学部へ進む。授業よりも演劇の稽古に熱中し、家族に無断で3年で中退した。1992年には早稲田大学演劇研究会を母体とする劇団「東京オレンジ」の旗揚げに参加し、看板俳優として活躍する。俳優として無名だった頃からアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の白鳥麗次役で声優業も行っていた。この時期はドーナツ店や絵画モデルなど多数のアルバイトで食いつなぎ、お金がない中で「野菜は摂らなくては」と道端のタンポポを食べたこともあったという。両親に相談せず大学を中退したため一時は帰郷もできなかったが、俳優としての活躍が認められてからは帰れるようになったと語っている。
2000年、NHK連続テレビ小説『オードリー』で初のレギュラーを得る。徐々に人気を高め、2004年には大河ドラマ『新選組!』の山南敬助を演じた。見守るような独特の笑顔が役のトレードマークとなり、一般に名前が浸透する。山南が切腹する回は視聴者の支持が高く、異例の再放送も行われた。2005年にはテレビ誌の「好きな男」1位にも選ばれた。2008年の『篤姫』で徳川家定を演じ、同年の映画『クライマーズ・ハイ』『アフタースクール』などで助演男優賞を相次いで受賞。2012年の『リーガル・ハイ』では毒舌で偏屈な弁護士・古美門研介が当たり役となり、初の主演シリーズ化を果たした。
2013年、主演ドラマ『半沢直樹』が平成以降のテレビドラマで歴代1位の高視聴率を記録する大ヒットとなり、決め台詞「倍返しだ!」が流行。同年のユーキャン新語・流行語大賞で年間大賞を受賞した。原作者の池井戸潤は、ドラマ化前に堺の出演映画を観て「半沢をこの人が演じたらハマる」と感じていたという。2016年には大河ドラマ『真田丸』で主人公・真田信繁を演じている。2022年末に長年所属した田辺エージェンシーを退社して独立し、2023年の『VIVANT』でも主演を務めて壮大な展開が話題を呼んだ。常に微笑んでいるような独特の表情が特徴で、歴史小説や大相撲を好み、芸人トリオ東京03の大ファンとしても知られる。妻は女優の菅野美穂。
映画でも『南極料理人』『クヒオ大佐』『ゴールデンスランバー』『武士の家計簿』『鍵泥棒のメソッド』など主演を重ね、助演男優賞から主演男優賞まで数々の映画賞を受賞してきた。テレビ誌での連載エッセイを単行本化するなど文筆にも取り組み、CNNが選んだ「まだ世界的に名は売れていないが演技力のある日本の俳優7人」の一人に挙げられたこともある。宮崎県で実際に起きた出来事を描いた映画『ひまわりと子犬の7日間』では、出身地の宮崎弁を使って演じている。常に穏やかな微笑みをたたえた表情とともに、幅広い役柄を演じ分ける実力派として揺るぎない地位を築いている。