Elvis Presley|アーティスト・作家|1935年1月8日生まれ
エルヴィス・プレスリーは、「ロックンロールの王様」と称されるアメリカの歌手であり、俳優である。1950年代にロックンロールを大衆化させ、その革新的な音楽スタイルとカリスマ性で世界的なセンセーションを巻き起こした。数々のヒット曲を生み出し、音楽界に多大な影響を与え、「キング・オブ・ロックンロール」として今なお語り継がれている。
1935年、アメリカ南部ミシシッピ州トゥペロに、エルヴィス・プレスリーは生を受けた。貧しい家庭に生まれ育った幼少期は、恵まれているとは言いがたかった。しかし、少年エルヴィスは幼い頃から音楽に強い関心を示し、 gospel music(ゴスペルミュージック)や country music(カントリーミュージック)に囲まれながら、その才能の片鱗を見せ始めていた。高校卒業後、彼は一時期トラック運転手として生計を立てる傍ら、歌うことを諦めなかった。そして、1953年、自分の歌を録音したいという純粋な想いから、 彼はSun Records(サン・レコード)のドアを叩く。そこで出会ったプロデューサー、サム・フィリップスは、エルヴィスの内に秘められた可能性を見抜き、彼の才能を開花させるための重要な一歩を踏み出すことになる。
1954年、Sun Recordsから「That's All Right」をリリースしたエルヴィスは、瞬く間にアメリカの音楽シーンに衝撃を与えた。R&B(リズム・アンド・ブルース)とカントリーミュージックの要素を融合させた彼の音楽は、それまでになかった斬新さで若者たちを熱狂させた。しなやかな腰つきとワイルドな歌唱スタイルは、保守的な大人たちからは眉をひそめられたものの、同世代からは熱烈な支持を集め、「ロックンロール」という新しい音楽ジャンルの中心人物としての地位を確立していく。1956年には、「Heartbreak Hotel」、「Hound Dog」、「Don't Be Cruel」といったヒット曲を連発し、一躍スターダムを駆け上がった。テレビ出演は、彼のカリスマ性をさらに増幅させ、その甘いマスクと情熱的なパフォーマンスは、世界中の女性ファンを虜にした。エルヴィス・プレスリーは、単なる歌手ではなく、社会現象そのものとなったのである。
音楽界での圧倒的な成功に加え、エルヴィスは俳優としての才能も開花させる。1956年の映画デビュー作『Love Me Tender』を皮切りに、数々の映画に出演。その多くはミュージカル映画であり、彼の歌唱力と魅力を存分に生かした作品が多かった。しかし、1958年から1960年にかけては、兵役のために音楽活動や映画出演から離れることになる。ドイツでの兵役中も、彼の人気は衰えることなく、多くのファンが彼の復帰を待ち望んでいた。軍隊での経験は、彼の人生において大きな転機となり、より一層成熟したアーティストとしての深みをもたらしたと言えるだろう。除隊後、彼は再び音楽活動に邁進し、1960年代後半には、かつての勢いを凌駕するような、より洗練されたサウンドでカムバックを果たす。
1970年代、エルヴィス・プレスリーはラスベガスでのレギュラーコンサートを成功させ、その圧倒的なライブパフォーマンスで観客を魅了し続けた。彼の晩年は、健康問題や私生活での苦悩も抱えていたが、ステージに立つ彼の姿は、常にファンにとって絶対的な存在であった。1977年8月16日、惜しくもその生涯を閉じたエルヴィス・プレスリー。しかし、彼の残した数々の名曲と、ロックンロールという音楽ジャンルに与えた革命的な影響は、決して色褪せることはない。数十年を経た今もなお、彼の音楽は世界中で愛され、多くのアーティストに影響を与え続けている。エルヴィス・プレスリー。その名は、永遠に「キング・オブ・ロックンロール」として、音楽史に刻み込まれているのである。